最早収集というのは病気の類。
ちょっと前に、「デカいシンバルが欲しいな」という衝動が湧いたので(笑)、色々と探し回って目を付けたのがコイツ。

MEINLのPURE ALLOYシリーズ、22 Medium Ride。
ドイツ産パーカッションメーカーとして知られるMEINLだが、シンバルもそれに比肩して認知されている(日本ではこの十年近くで漸く正当な支持を得る様になった感じ)。
フラッグシップシリーズであるBYZANCEはトルコ製となっており、そこに並ぶ母国製造のシンバルをという標榜の下生まれたのが、PURE ALLOY。
とは言っても、このシリーズは誕生してから10年も経っておらず、当初はラインアップも乏しかった。
ここに至るまでに、薄目のデザインを主軸としたPURE ALLOY CUSTOMを含め、様々なモデルが加わり、漸く広く選択が可能な状態に整った感じがある。
実はこのPURE ALLOYに関しては、既にハイハットを一つ所持しており、そのハイハットに於いては好感触だったってのもあり、今回シンバルセッティングの基幹の一つとなるライドはどうかと思い入手。
PURE ALLOYはThinかMediumのどちらかを厚さ選択できるが、オレとしてはライドでThinは先ず考えとして無いので(笑)、Mediumを選択。
22インチはやっぱり低域のうねりが含まれるのが魅力。重量級になると硬質な響きと倍音のバランスにより強力なピング音が表出するので、この大味感がオレはサイズとして好きな点。
勿論20インチも、サイズ由来の引き締まりが出る為それもまた魅力となるが、場面として使えるんだったらやっぱり22インチだね。
で、
今回スタジオで試してみたんだが、まァ想定通りの鳴りかな、と感じた。
PURE ALLOYは粒立ちは小さめで、中高~中低域が軸となりあまり音量感が目立つシリーズではない。
ただ、音の響きは涼やかというか、シルキーな耳障りで心地よく、透明感のある鳴りが最大の魅力だろう。
今回のライドはその感触を体感出来る典型のシンバルと言える。
ボウ部分は正にそんな感触で、スティックとしてはボールチップよりもティアドロップチップの方がその繊細さがよく味わえるんじゃないかと思った。
Mediumと言ってもそんなにぶ厚いわけでは無いため、エッジ部でのクラッシュも容易に反応してくれる。
そんな作りでもある為、カップ部も小さめの仕上げをされていて、音の突き抜け感も控えめ。
前回、所持しているSoundwave Hihatsの時も思ったが、このシリーズは、PAISTEの602 Modern Essensialsに近いものがある。
流石に、アレと比べると煌き感は一歩及ばないが、それでもシルキー感は通じるところがあり、BYZANCEとは一味違ったキャラクターを上手く持ち込んだなと感じるね。
ただ、今回試してみた感じとしては、広い部屋で音量を出す演奏となるとピング音の通り辛さが引っ掛かるかな?と思った。
繊細で透明感のある鳴りではあるが、裏を返すと重厚感が伴わない響きである為、パワープレイで聴かせるにはちょっと物足りなさは出てくるかなと。
まァ今回一回試しただけだし、真価はまだまだ判らん。
今のところはスタジオメインでの使用に留まるが、もしかしたらフルセッティングで揃えて使う事を視野に入れる可能性も。
いや、流石にソレはやり過ぎか(苦笑)。
ただ、クラッシュはアリかもな、この鳴りなら。
18、19辺りだったら、期待できる響きを提供してくれそうだ。
そうそう、この間稼働させたTAMAのLST146Hも今回一緒に試したが、やはり広い部屋でその真価が見えた。
高域と低域の通り方が良い太さでまとまった鳴りをしてくれ、明らかにデフォルト仕様とは違った音であり、好みの音として響いてくれていた。
正直、コレだったらMEISTERでも全然使って良いな。
ま、実際コイツはMEISTER以外のバンドでの使用を視野に入れているんで、一先ずこの状態でライヴ使用という日の目見れるかって事になりそうだがね。